4.電子番組表を読み上げる「しゃべるテレビ」
家電製品はさらに多彩で個性的。最近話題となったのは、シャープのお掃除ロボット「COCOROBO(ココロボ)」や東芝ホームアプライアンスのエアコン「大清快VOiCE(ダイセイカイボイス)」シリーズの“しゃべるリモコン”など。これらはユーザーの発した声による指示(操作)を識別して反応する「音声認識」機能を搭載し、ユーザーと対話するのが特徴。掃除や空調などの“本業”以外にも簡単な日常会話を楽しめる機能も付いていて、近未来の「生活支援ロボット」の先駆け商品とも言えそうだ。
音声読み上げ機能の付いた製品が充実しているのは、パナソニックと三菱電機。特にテレビは、両社とも現在販売している全機種にチャンネルを変更した時に放送局・番組名を音声で知らせる機能や「電子番組表」を読み上げる機能を搭載している。
パナソニックの「ビエラ」はリモコンのメニューボタンを長押しすると、電子音が流れて「音声ガイドの設定」という画面が現れ、音量や速度などを設定できる(この操作も音声でガイドする)。 三菱電機の「リアル」は購入後のチャンネル設定ガイド、操作メニューやハードディスク、ブルーレイレコーダーの録画番組一覧の読み上げなど、ほとんどの操作に音声機能が対応している。
こうした「しゃべるテレビ」は、デジタル放送への移行に伴うテレビの多機能化への対策として商品化された。チャンネル数が増え、文字データ放送や電子番組表など機能が増えた結果、多くの高齢者や視覚障害者から「リモコンが使えなくなった」という悲鳴が上がったことが開発を後押ししたという。
それはそれとして、テレビ好きシニアとして筆者が一番便利と感じたのは、チャンネルを切り替えた時に放送局・番組名を音声で知らせてくれる機能。特段に見たい番組がない時や、スポーツ中継のCM中にガチャガチャとチャンネルを切り替える「ザッピング視聴」にうってつけだ。地デジ、BS、CS、CATVとチャンネルが増えた結果、ザッピングしている途中でどこで何をやっていたか、わからなくなってしまうことがある。画面右上に現れる局名・番組名表示は小さくて見づらいので、音声で言ってくれれば、そんな“番組漂流民”の悩み解消に一役買いそうに思うのだが、いかがだろう。