3.転ばぬ先の音声ガイド、難点は価格の高さ
体重計の取り扱いは簡単なようでも、意外とシニア泣かせ。そもそも表示部が目から遠く離れた「足下」にあるので見にくい。どのメーカー製品も最近は液晶表示が大きいので、「55.0」のように測定結果そのものは随分と見やすくなった。ただ、単位や測定項目を示す表示は小さい文字なので、その数字が何を表しているのか、「体重以外は一目ではわからない」という人も多いだろう。
そこで体重計に乗ったまま、前かがみにのぞき込もうとしたりすると、思いがけないリスクが生じることがある。比較的若く、まだ元気なうちはいい。だが、「ご高齢になってくるとバランスを崩してふらついたり、腰や膝を痛めたり、小さな“ヒヤリ・ハット”を招く心配もあります。そのためか、お子さんやお孫さんによるプレゼント需要だけでなく、安全・安心に関心が高い70歳代以上の方がご自身で購入されるケースも多いんです」と、同社ヘルシーウェイト事業部の松岡悦子さん。つまりは、転ばぬ先の音声ガイド、ということである。
生活用品分野では他にも、血圧計、体温計、歩数計(まんぽけい)といったへルスケア製品、時計、タイマー、電卓などに音声機能付きの機種がある。
時計では、シチズン、セイコーの二大ブランドからほぼ同機能の「しゃべる目覚まし電波時計」が発売されている。筆者も愛用者の一人だが、「3月21日木曜日、午前6時30分です」というように、アラーム音に続いて“大声”で時刻を告げてくれるので、普段より早く起きなければならない朝などに「寝ぼけまなこで時刻を見間違え、二度寝してしまった!」といった失敗が少なくなる……はずである。こうした「しゃべる生活用品」の難点は、価格の高さ。音声なしの同クラスの機種より高いものが多いのだ。このため購入する前に、本当に音声機能が必要なのかどうか、日常の使い方、今の身体機能の状態や“将来見通し”、一緒に暮らす家族の意向などをよく勘案し、店頭で実際に使い勝手を確かめることをお勧めする。