1.滑らかな口調でリアルタイムで操作をアシスト


機械の音声というと、一昔前までは怪しげな発音・アクセントで単語をブツ切りにして話すような、聞いていてイライラさせられる不自然なものが多かった。だが、それはもう過去の話。デジタル音声技術の急激な進化によって、最近の「しゃべる機械」は驚くほど自然で滑らかな口調で話しかけてくる。

音声機能の効能は「今やっている操作」をリアルタイムで確認できる点にあると思う。生まれた時からデジタル機器に囲まれて育った若者たちとは違って、われら中高年は直感的に操作を進めることが苦手。それに加えて年齢とともに視力、さらには理解力、判断力、認知能力にも少しずつ衰えが出始める。

その結果、何回もボタンを押していっても、液晶画面の表示やアラーム音だけでは正しいのか、間違っているのかさえよくわからない、といった事態に直面することになる。「俺が付き合っている機械は、お前さんだけじゃないんだぞ!」などとぶつくさ言いながら、取扱説明書を片手に何度も設定をやり直させられた経験のあるシニアも多いはず。 そんな時に音声によるガイド機能があれば、一つひとつ操作する度に音声で“ダメ出し”をしてくれるので、誤操作を減らすことができ、ストレスも少なくなる。大げさに言えば、専任のアシスタントが横に付いているようなものだ。

シニア家庭の必需品であるヘルスケア製品には音声機能付きの機種が比較的多い。中でも重宝しそうなのは「しゃべる体重計」。体脂肪率、BMI(体格指数)、基礎代謝量など様々な指標を測れる体組成計の普及で、「操作が難しくなった」典型的な機械だからだ。

トップメーカーのタニタ(東京・板橋)が2種類の音声機能付き体組成計を販売している。「BC-202」は初期設定から9項目の測定結果の読み上げまですべてを音声で行うフルスペックモデル。電池を入れ、本体中央にある操作部の一番上の「前回値/設定」ボタンを押すとすぐに「地域、日時の設定を開始します」と話し出す。

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